米原駅からJR北陸本線に乗り換えて、昼には福井県に入る。


目的地の原発最寄り駅に到着すると、そこには既に電力会社の案内係の者が車で迎えに来ていた。


「これはこれは先生方、遠い所をようこそいらして下さいました」


「本当に遠かった!君、次からは原発を東京の方まで持って来てくれたまえ!」


後ろにひっくり返りそうな程にふんぞり返って威張って見せる幹事長だが、言っている事はメチャクチャだ。


先生と呼ばれると、とことんまで付け上がるのが幹事長の悪い癖なんだよなぁ……


「それじゃ~マナミちゃん、ちょうどお昼になった事だし、まずはこちらの経費で特上寿司でもとって貰おうか♪」


「勝手に寿司でも何でもとって下さい!ただし、自分のポケットマネーで!私は問題の現場に案内してもらいます」


ごねる幹事長を無視して、私が係の人間と一緒に歩き出すと、幹事長も渋々その後について歩いて来た。



.