次第に瞼が重くなってきて、気づいたら机が目の前にある。
千尋は、というと斜め隣でチビチビまだ缶チューハイを飲んでいた。
重力に逆らえず、机に右頬を押し当て千尋を眺めていると目が合った。
「眠たい?」
『ん、ちょっと』
「寝よっか」
『うん』
そのまま目を閉じると、千尋が動く気配がすると同時に軽く身体を持ち上げられた。
『ん、ひゃっ!』
素っ頓狂な声を出してしまい、咄嗟に首にしがみつく。
「そのまま寝るつもり?風邪引くからベット、行くよ」
諭すような声が耳元で囁かれ、さらに硬直してしまう私をそのまま運んでベットにゆっくり降ろした。
……なんだ、こいつは。
女慣れしてるのか、それとも荷物扱いだったのか?
後者であってくれと、心から思った。
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