『は、あんた何言ってんの』
「それはだめでしょ」
千尋と私の声が重なった。
「それが一番よくね?美咲も千尋もベット使えてゆっくり寝られるし、俺は毛布とこたつであったかくして寝られる。な、全て丸く収まるだろ?」
尚も続ける雅弘の言葉に、苦笑いを浮かべる千尋だったけれど、私はその雅弘の言葉に何故か納得してしまった。
『そっか。千尋、そうしよ。おいで』
「え、美咲まで何言ってるの」
『大丈夫、襲ったりしないから』
「あのねぇ…襲われるとしたら美咲の方でしょ」
『大丈夫、千尋は私になんか興味ないでしょう?』
「あのねぇ…」
「いいじゃねぇか千尋、減るもんじゃねぇんだし添い寝ぐらいしてやれよ」
「2人とも酔いすぎだよ、俺は下でいいから」
戸惑っている千尋に構わず、私はベットに入り布団を持ち上げ隣をポンポンと叩いた。
『千尋ー、寒いから早く。観念しておいで』
「本気で言ってるの?」
『当たり前でしょ。私の隣じゃ寝れない?』
「そーゆー意味じゃなくって…分かったよ」
最終手段とばかりに目をうるませた私を見て、ため息をついて千尋はベッドにもぐってきた。
ふわっと千尋のやわらかい匂いが鼻をかすめた。
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