『…眠い。寝る』



「俺も、限界かも…」







さすがに歳には勝てず、まぶたが重くなり始めた。



それは千尋も同じらしく、紅いのを通り越して白くなった頬をこたつに付けて目を閉じている。






…元気なのは一人だけ。










「はぁ?夜はこれからだろ‼千尋ー、ツレない事言うなよー」



『千尋は眠いの‼』



「じゃあ美咲が付き合えよ」



『何でそんな元気なの…』









缶ビール片手に隣に来て肩を組んでくる雅弘に呆れ、顔を向ける。



図らずとも唇が触れそうな距離に一瞬フリーズしてしまった。



…と。










「…雅弘、明日仕事なの覚えてないの?ほら、美咲はベット行って早く寝な」



『え、あ』



「えー、思いださせんなよー」










ぐい、と腕を引かれ雅弘と距離があいた。




見ると千尋が私の腕を掴んでいて、雅弘と引き離してくれた様だった。




気にしてくれたのかな、一瞬そう思ったけれど、もう千尋は酔っていたしまぁ無意識なんだろうと思い直した。