ある時、交通渋滞で私のお迎えが遅れてしまって、私はビルの1Fにあるカフェで時間を潰していた。
そこで偶然美月が声をかけてきたんだ。


「いつも私のこと見てるね?」


ずっと憧れていた体育会系の女の子。
近くで見るともっと輝いていた。
優しそうで…だけどかっこよくて。
私はこの日からこのカフェで美月と会うようになった。



美月は地元の公立中学に通う同い年の女の子だった。
私の家とは少し離れていたし、私は私立だったからお互いに出会うきっかけはここ以外なかっただろう。


「じゃあ桃ん家はお金持ちなんだ!
確かに桃はきらきらしてるもんなあ!」


美月は私のことをそんな風に言うけれど他の人みたいに距離をとって接してきたりはしない。