圭くんも凛ちゃんも私には出来すぎた兄弟…


生まれ持った家庭を受け入れているのに私はなぜここまでわからず屋なのだろう。
でもこうやって母様も認めてくれた、私はお手伝いさんなんていなくても大丈夫。

そう思っていたい。
慣れないコンビニのバイトも…
傘を持ち忘れてずぶ濡れで帰る放課後も…
体育で転ぶのも…
みんなでお菓子をわけあう休み時間も…
全部が新鮮なのだ。


「じゃあ今日はこれで…
たまには電話してね?」


「はーい。ありがとう」



母様が部屋を出ると、いつもなぜか部屋が広く感じる。
まあ、一人暮らしには広すぎるけど…
こんなにビーフシチューが美味しそうな香りをさせている部屋なのに、しんみりとした気持ちになった。