みんなに…あんな感じ。
それもなんだかもやもやする。
なんだろうこのもやもやは…
「まあさ♪
ちょっとときめいた?
東郷さんはちょっと難しい相手かも知れないけどあの容姿はずるいよねー」
美月はずっとにやにやしながら私を見つめて、
「私も東郷さんにそんなことされたら、きゅんってなるかもしれないもん。
私にはまだ恋なんて先な気がするけどさ」
美月でさえときめくかもしれない相手。
東郷さんのことが…
頭の中いっぱいになって溢れてる。
「あっじゃあ私行くね!!
友達にチャリ貸す約束してて…
私がカギ持ってたから」
そう言って美月はバタバタと教室から出て行った。
私は1人になっても…
ずっとちょっと沈んだ気分になっていた。
ちょっともやもやして、なんなんだろう。
それで美月にも1つ言えなかった…
何で彼は、たまたまバレッタを届けた私の名前を知っていたんだろう。
うちの高校は体操服に名前も入れないし。
時計の針は16時00分をさしていた。
「あっバイト…」
一気に荷物をまとめて急いで教室を出た。