「その東郷さんが桃にそんなことを…
面白いことになったねー」


にやにやしながら美月は外を見た。


「面白いって…
まずその東郷さんだってただのサボるきっかけが欲しかっただけって言ってたし」

「でもバレッタ…
届けてくれたんでしょ?
あの人結構冷たい噂しか聞かなかったから、すごいことだと思うけど」

「冷たい噂?」

「告白は瞬殺。
バレンタインのチョコレートは外装が気に入らなかったらもらわない。
なのになぜか取り巻きは減らないらしいんだよね」


…なかなか自分中心な人なんだ。
告白はまだしもバレンタイン…そんな人いるんだ。


「まあ桃がそんなことされたの知れたら、取り巻きたちが許さないだろうね」

「…え?」

「ふふふー。嘘だよ。
1回きりだしね?
東郷さんのことは噂でしか聞かないから。
案外そういうところがあるからファンが減らないんじゃない?」