「くそ。コイツ。飄々としやがって。

海!行くぞ」

その時、男が海ちゃんの手を掴んで引っ張った。

「や!離して!」

「やめろ!」

俺は男の手を掴んで振り払った。

何だかよく分からないけれど、海ちゃんを守らないと。
ふとそう思った。


「海ちゃんに触るな!
彼女は物じゃないんだ!
お前が自由にする権利なんてない!

俺は海ちゃんを守る!

俺の彼女だから!
彼女が、好きだから!!」

息を切らして言い切った後、……気付いた。

あれ。
今、……どさくさに好きだとか…言ったかな…?


二人は唖然と俺を見ていた。