「武史。……何…」
海ちゃんに『武史』と名前で呼ばれる男。
……噂の彼氏か。
「早速新しい男か。
キスくらいでガタガタ言う割には自分もライトな感じじゃん。
しかも……サッカー部の宇田川とは。
お前も案外ミーハーなんだな」
…………。
ん?……ミーハー?
俺、今、かるーくバカにされてないか?
………てか。コイツ、誰?
「失礼な事言わないで。
あなたみたいな人に宇田川くんを悪く言われたくない」
「はあ?!お前、何か勘違いしてないか。
お前の彼氏は俺だぞ。
宇田川をかばう意味が分からねぇ」
「あなたとはもう関係ないわ。
私の彼は宇田川くんよ」
「何?!……宇田川、てめぇ。
一度ならず、二度までも」
「は?何の事……」
俺はコイツの言っている意味がさっぱり分からなかった。
「とぼけんなよ。一年の時。
その時の俺の女が、てめぇに惚れてコクってきたろうが」
ハイ?……誰?
「…誰?分からねんだけど」