「……部活…。何時まで?」

へ。
あ、ああ。部活ね。

「……もうじき終わると思うけど…。
……どうしたの」

「……待ってても…いい?」

え。

「一緒に……帰りたいなって…」

「え」

俺は顔を押さえて俯いた。

「宇田川くん?……駄目…かな。
そ、そうよね。いきなり。
彼女気取りで私ったら…」

「い、いや。そうじゃなくて」

俺は赤い顔を海ちゃんに見られたくなかった。

………やべ。……嬉しい。

まさか、こんな風に君と疑似恋愛出来るなんて、ついさっきまで思いもよらなかった。

さらに気持ちが通じていたなら、どんなにいいだろう。

だけど贅沢は言えない。
これで十分だよ。

俺は顔を上げて、彼女の目をしっかり見つめると、笑いながら言った。

「着替えてくる。
玄関で待ってて」

海ちゃんは赤い顔で「うん」と言って、笑顔を返してくれた。