――私って……どこかおかしいのかな。
ポテチ片手に野球中継に見入るお兄ちゃんをソファーからじっと見る。
「あっ!バカやろ!なぁにしてんだよ〜!
打たれてんなよ〜!
ああ〜〜…」
私はふうっとため息を吐いた。
………下らない。
何でこんなに………。
こんなに下らない事に夢中なお兄ちゃんが、…私には格好よく見えるのだろう。
「あーあ。楓、俺、部屋に戻るわ」
そう言って彼は立ち上がると食べ終わったポテチの袋をゴミ箱へポンッと投げ入れた。
ボーッとお兄ちゃんを見ていた私は、ふと現実に戻った。
………えっ。
「ええ?野球は?」
もう少し、見つめていたいのに。
「もう、やめだ。勝てねぇ。
お前も早く寝ろよ」
私の頬を指先でフニフニと押しながらお兄ちゃんは私に顔を近付けるとニコッと笑う。
…ドキンッ。
「やめてよっ。子供扱いしないでっ」
お兄ちゃんの手を思わずパシッと振り払う。
「無理。コドモだから」
「………んもぉ……」