――「おはよ。杏里。
さ、早く朝御飯食べて。
行くよ」

…………。

「慶太……。何であんたが…。
うちでご飯食べてるのよ…」

起きたばかりのボサボサ頭をカリカリと掻きながら、私は食卓で当たり前のように味噌汁を啜る彼をジッと見た。

「ん?おばさんがどうぞ、って。
うち、今日は母さん夜勤だからさ」

「…………そうなの」


その時。
パシッ。

!!!

「杏里!早く準備しなさい!
全く、パジャマで慶ちゃんの前をウロウロして!
恥ずかしい子ね!」


背後から母のチョップが私の頭上めがけて落とされた。

「いったぁ〜……」