――『昨日のサトシからの紹介の子、すっげぇヤバかった。
唇が分厚くてさぁ、胸がでっけぇの。
ありゃ、オトコ喰いまくってるね。
高校生の域じゃねぇよー。
絶対に年齢詐称してるって』
『あんた、彼女に内緒で紹介なんて受けてんの。
信じられない』
『ばっか、お前。男なんてそんなもんだぜ』
『さいてー』
『ガキ』
席が隣になってから急に親しくなった、フラフラと軽いノリの男の子。
少しだけタイプなのは悔しいから黙っておこう。
『…そんでどうするつもりなのよ。
その紹介の子とは』
『どうって。どうもしねぇよ』
『え。好みなんでしょ』
……私とは正反対の色気のある子。司が女として認める子。
私と違って。
『あり得ないね。あの手のタイプは流石の俺も扱い切れないよ。
………あ。カノジョ迎えに来てる。
じゃあな。お前も早く帰れよ。
お子様なんだから道草すんなよ』
『お子様じゃない!
私も本気になったら色気の一つや二つ……』
『お前に色気?ないない』