「…まあまあ。そんなに落ち込まないで。
桜井くんは男女問わず人気があるから忙しいんだよ、きっと。

その気持ちを図書整理にぶつけて!」

「いや、…ぶつけドコロが図書整理って。
……どんだけ寂しい人間ですか、私……」


上杉くんは私の返答にケラケラッと笑ってから"おいで、おいで"とばかりに手招きをした。

私は重い足取りで上杉くんに付いて図書室へと向かった。


――「だけどさぁ、三ヶ月も経つのにデートの回数が一桁って!!
どんだけ?!って感じよねぇ!!」

私はあれから図書整理に汗を流しながら、上杉くんに言われた通りにその作業に熱中していた。

「そうだねぇ。ちょっとそれは少ないかなぁ。
俺だったら好きな彼女とは毎日一緒にいたいけどね〜。

…ま、彼女は今はいないんだけどね」