「ねぇねぇ、勇樹くん!
今日は一緒に帰れるよね」

下駄箱で彼氏の勇樹くんを待ち伏せて、その姿を見つけるなりに付きまとい声をかける。

「……あー、今日?
いやぁ、無理かな。」

「ええっ!またなの!」

そこまで話した時………。

「おーい、勇樹〜、行くぞ〜」

向こうから彼を呼ぶ声。

「おう。今行く」

勇樹くんは友達にそう言うと私の目の高さに体を屈めた。

「じゃな。千秋。夜メールする」

そう言って彼は魅惑的な笑顔で私の頭をクシャクシャと撫でて去って行った。