「あゆ。……こわいよ」

思わず呟いてみると、彼女は真っ直ぐに俺を見た。

「……好き。たく」

…………。

まあ、………深く考えるのはやめるか。

「……俺も。あゆ、好き」

フフッと笑い合う。

……君を見つめていたい。
これからもずっと。

気分屋の君のメカニズムを、いつか全て解るほどの達人に俺はなれるだろうか。

これからも二人の恋は、ゆるゆる、フワフワと気の赴くままに進んでいくのだろう。

いつかまた、俺が拗ねたら、……また今回みたいにその素直さで呼び戻してくれよ。


俺とあゆは、しっかり手を繋いでゆっくりと立ち上がった。






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