「あゆ!!」
前方に、小さな後ろ姿。
「あゆ!待って!」
声の限りに叫ぶ。
みっともなくても、もう、どう思われてもいいよ。
あゆに、伝わるのなら。
「あゆ!好きだ!」
その後ろ姿が、ピタリと動きを止めた。
止まっている彼女に一気に近づく。
「好きなんだよ!ただ!俺を見て欲しくて……!」
あゆは、振り返らない。
ハアハアと息を切らして彼女の真後ろに立ち、そのまま伝え続ける。
「俺、バカだから、…構って欲しくて…。
ただ、……逃げていただけで。
格好つけてないで、素直に言えば良かったんだ。
君が……好きだと」