朝からどんよりと空は曇っていた。
私は折りたたみ傘を確認して、1つ前のバス停でバスを降りた。
病院に向けて歩く。

1ヶ月前、私は高校生になった。花の女子高生だ。
真新しかった制服にもしわがつき、学校への道も学校の地図も大体把握した。
そして、私は迷わず美術部に入った。
絵を描くのは好きだ。真っ白いスケッチブックに、自分の思い描く風景を自由に描く。
それが、その感覚が私は好きだった。

今は5月。
そろそろ新入生は本入部となる。
私と同じ中学から同じ高校に上がった織原佳花(おりはらよしか)は、迷いに迷った結果、家庭科部に入った。
まさか、それが私にこんな危害を及ぼすとは。