学校帰り。
私は、水色の携帯電話を開いた。
メールが一件届いている。

『ごめん、遥!!
学校終わったら、リビングのテーブルの上にある本、持ってきてくれない?
入院してる子に貸そうと思って用意して忘れて行っちゃったのよ。
入院してる子って、まあ、天空くんなんだけど。
忘れたって言ったら、暇だってすねちゃったのよ。
だから、お願いね』

お母さんからだった。
私、佐々目遥(ささめはるか)は、メールを読むと、返信した。

『了解。
広尾に、お菓子あるよって言っといて』

私は、携帯電話をスクールバックのポケットにしまって、病院に行くためのバス代を確認した。