さっき見た時には、むくんだ顔の、 暗いオバサンだったのに。 今、鏡に映った私は、きちんと化粧を 施され、自分で言うのも変だけど、 ここ数年で一番、キレイに見えた。 「よし!看板娘の出来上がり!」 洋子さんは大きな笑顔を見せると、 先に行ってるね、と 階下に降りて行った。 私は、すぐに行きます、と 答えて。 もう一度、鏡の中の自分を見た。