入学式の行われる体育館に着くまでに、明るくムードメーカー的存在の玲男はすっかり4人に馴染んでいた。

5人で一緒に体育館に行くと、既に集まっていた2年生の中から

「あれ、咲太と大昂!?」

と言う声がした。

声の主を突き止めた咲太と大昂は驚いた様子で

「あれ、流助先輩じゃん!」

「お、ホントだ!」

と声を上げた。

その先輩はこちらに近づいていて、優しそうな笑顔で言った。

「今日入ったばっかでもうこんなに友達ができたんだな。はじめまして、ボクは七里流助(ななりりゅうすけ)!咲太と大昂とは中学で一緒だったんだ。」

爽やかな笑顔で伊乃と惣介と玲男に自己紹介をした。

伊乃たちが軽く自己紹介をし終えると

「あと5分で入学式を始めます。生徒は席について下さい。」

と放送が入った。

じゃあな、と流助先輩がまた2年生の中に戻っていった。

伊乃たちも席に着いた。


「今から空岡高校入学式を始めます。」

司会の先生が前に立ち、入学式が始まった。

「生徒代表挨拶。代表生徒5人は前に出てください。」

代表は入学テストの上位5位までの生徒が行う。

伊乃は勉強が大得意で、入学テストでは3位だった。

挨拶のため壇上に上がると・・・

代表生徒のメンバーを見て伊乃は息を飲んだ。

そしてそのメンバーも。