「おぉ!俺ら同じクラスだぞ!咲太!」

「よっしゃ!また遊べんな、大昂!」

振り向くと、チャラ男が二人居た。

一人は前髪を上げて派手なピン止めでとめていて、もう一人は肩まである長めの髪を後ろの方だけしばっていた。

すると、何故だか髪の長いほうが伊乃に近づいてきて、

「君かわいーね!何組の子?」

「・・・はァ?」

伊乃が怒ったことは隣にいた惣介には一瞬で分かった。

伊乃が威嚇しているともう一人が近づいてきて

「馬鹿、大昂!そいつ男だぞ!?」

「あ、ホントだ・・・!可愛い子いたと思ったのにー・・・。」

惣介は伊乃の怒りがMAXになったことを察した。

「お前らァ・・・さっきから聞いてりゃ好き勝手言いやがって・・・」

「やっべ怒ってんぞ・・・」

「やっべかわいっすなぁ・・・」

「大馬鹿!大昂!!」

伊乃は二人を睨みつけるとゆっくり口を開いた。

「許して欲しけりゃ・・・」

「・・・欲しけりゃ?」

「僕と友達になれぇぇ!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・。」

二人が黙り込む。

惣介はやれやれとその場を窺っていた。(正確に言えば楽しんでいた。)

「・・・ッあっははははははははッ!!!」

「何この子おもろぉぉぉぉ~!!」

しばらくして二人は爆笑しだした。

伊乃は何がそんなに面白いんだろうとキョトンとしていたが、落ち着いた二人はまぶしいくらいの笑顔で言った。

「私、神村咲太(かみむらしょうた)!!よろしく!」

前髪を上げたほうが元気に挨拶した。

「俺、皇地大昂(おうじひろたか)!!よろしくねー!」

と、髪の長いほうも元気に言った。

「ね、君らは?名前なんていうの?可愛い子とイケメンくん」

「可愛いって言うな!僕は小崎伊乃。」

「・・・河野惣介です。」