「……今日のお父さんの晩ご飯はおにぎり一個」


「あ、紗奈が拗ねた」


「お母さん拗ねた」




口調が似てる笹原晶に腹が立つ。
私だって撫で撫でしてもらいたい。あの娘の柔らかい手にしてもらいたい。




「じゃあ、俺がキスしたら…「おにぎり減らす」




子供の前で何てこと言うんだ。
だからプレイガールとか言っちゃうんだ。




「あ、今度はお父さんが拗ねた。仕方ないなぁー」




そう言った娘は私の手を引っ張り、ソファーに座る笹原晶の隣まで連れて行き、私を座らせた。




「私、どっちも好きだよ?」




そうしてガバリと抱きついてきた我が愛娘。
その様子を見て私と笹原晶は苦笑した。



もしかしたら将来、この娘がプレイガールになるんじゃないか…と。







-終-