「……あ?どうした?」
あくびをしながらのそりと起き上がる大魔王。
丸くなっても威圧感は未だ顕在である。
「お父さんとお母さんって初めてのデートどこ行ったの?
お母さん、照れて教えてくれないの!病院とか嘘言うんだよ!」
饒舌っぷりは私似かしら。あらやだ可愛い。
「母さん、嘘吐いてないぞ?
俺、病院行ったし。それで他の男紹介されたし」
「ぅえっ!?
お母さんってプレイガールだったの!?」
おい娘。どこでそんな言葉を覚えた。しかもその驚きようは私に失礼じゃないか?
「お父さんの方が絶対遊んでそうなのに…」
「いや、俺は母さんが初めて付き合った女性だな」
「えぇ!?
じゃあお母さんってそんなお父さんの気持ちを踏みにじったの!?男なんか紹介して!!」
いやいや心外な。
そんなわけないじゃないか。
「そうだ…俺は裏切られた…」
「お父さんカワイソー」
あ、私の娘が敵に回っちゃったじゃないか!
何て事しやがるんだ。
くそう。頭撫で撫でしてもらって……ズルい。