私の気持ちを完全に無視して立ち去って行く守を眺めながら笹原晶が一言。
「…良い奴だな、アイツ」
「そうだね」
悪い方向にね。
「じゃ、今2人きりだからまずはキスから「しないから」
必殺技、笹原晶のパクリ。
「キス魔さん、帰りましょう」
私は急いで距離を取る。
夢の失敗生かしてもらおう。
「紗奈」
奴が呼びかけると同時に手を握り、耳元に囁いてきた。
「いつか……な」
私の頭をポンとした後、そう言った奴は珍しく手を離し、急ぎ足で前を進んで行ったのだった。
-終-
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