「紗奈も笹原だぞ?」



「だから?」




絶対大した用事でないと分かっても、無視は良くないので返事をした。




「そろそろ“笹原晶”って呼ぶのやめないか?」




「旦那様、マイエンジェルちゃん達のために私はそろそろ旅立ちますね」




照れる?胸きゅん?
生憎私はこれくらいでは物怖じしない精神を身につけた。切り返しなんてお手のものである。




「……旦那……旦那か…」




一人で自分の世界に浸ってる奴を放って私は玄関で急いで靴を履く。


何故そんなに慌てるのかって?
それは余計な事を言われないためだ。



例えば…




「紗奈、朝の挨拶と行ってきますのキスは?」




そうそうこんな感じ…