目的もなくいつものように街中をただぶらついていた。




「あ、あの…良かったら私と一緒にどこか回りませんか?」



「あ゛?」



「い、いえ…すみませんでしたっ!」




……ったく…一体何だったんだ。面倒くせー




「嫌です!
行かないと言ってるじゃないですか!」




少し声を張り上げている女がぼんやりと視界に映った。


言っとくが、あれぐらいの事で助けるだなんて面倒くさいこと俺はしねーからな、絶対。
面倒くさい。




「良いじゃん。
俺らと一緒に遊ぼうよ」



「この服装見て分からないのですか?
私、学生ですよ。制服ですよ。休日補習受けるくらいバカなんですよ?」



よく見るとアイツ、俺と同じ学校の制服じゃねーか。



「補習なんか放っとけよ。
美味しいもんでも食いに行った方が楽しいぜ」



つか、アイツ等声デカい。
それに古風すぎるだろ、誘い方。今時付いてく奴なんているのか?