「だって晶君、何話しても鈴木さんの話題に繋がるのよ?
腹立つぐらいに」
…………さいですか。
「なによ、名前ぐらい使っても良いでしょ?」
「…えぇ、どうぞどうぞ。全国よくある名前ランキング20位以内に食い込んでるありきたりな名前で良ければ本当どうぞどうぞ」
…何も言えなかった。
矛盾をね、ガツンとね……こう…うん、言おうとしたけどダメだった。
今の笹原晶との関係も微妙なのだ。
何かフワフワしてる。
昨日告白は受けたものの返事はしておらず。
寄りを戻したわけでもない。
かと言って別に私、笹原晶のこと嫌いじゃないし。むしろゴニョゴニョ。
…ダメだ。
心の中でこの調子なら、本人に伝えるだなんて論外だ。
相手の気持ちを知ってても、それにイェスと答えるのも勇気いるもんだなぁ…
それを考えると笹原晶って凄い。
少女漫画の主人公って凄い。
人前とかで告白する奴とか本当に凄い。
自分が体験して初めて思い知らされた。