また、酷い言葉を浴びせてしまった。

本当に悪いのは私なのに。
それでも奴は来てくれたのに。



やっぱり、元に戻るのはダメかもしれない…




「気、遣わなくていいんだな?」




声は頭の上から降ってきて。
私の足先には男物のスニーカーが。


そして顔を上げると笹原晶がいつもの澄まし顔で私を見つめていた。




「鈴木が言ったんだからな。
それなら俺は遠慮なく言わせてもらう」




無口なはずの彼が今日はよく喋る。
いつもは饒舌な私が今日は無口だ。


まるで逆転。




「俺は鈴木が好きだ。
だから、鈴木の気持ちを知ってても無理に俺に付き合わせた」




「………」




私は何も言わず、黙って彼の言い分を聞いた。