「お節介かもしれないが………君は…娘のことをどう思う?」
お父さん、それはお節介にも程がある。ありすぎますよ。
だけど私は喉がカラカラに渇いていて声が上手く出ない。
すると笹原晶は哀しそうに笑って言った。
「…俺には勿体ないぐらい素敵な奴です」
だって。
……………
「嘘吐け!」
気づいたら口に出してしまっていた。
しまった…
しかし、時すでに遅し。
「………紗奈?」
お父さんが不思議そうな顔で見てくるが、私は関係なかった。喋り出したら止まらなかった。
「お世辞なんていらないから。別にお父さんの前だからって気遣わなくていい。笹原晶はそうやっていつも私を困らせる。私は…私は……そんな笹原晶なんか……」
ダメだ。
また人を傷つける言葉を言ってしまう。
本当は違うのに。
全然、違うのに。
私は唇をギュッと噛んで俯いた。