「お父さん!!」
「紗奈、無事だったか!?」
お父さんが心配しながら駆け寄ってくれた。
「…うん。お母さんは?」
「……まだ分からない」
「………そか。
ねぇ、お父さん」
言わないと。
伝えないと。
自分の言葉を愛せるように。
自分の言葉で進めるように。
「……殴って、ごめんなさい」
私は頭を下げた。
お父さんに謝るの、何年ぶりだろう…?
「…いいんだ、紗奈。
ほら、頭を上げて。…悪いのは私の方だから」
私はお父さんに頭をポンポンとされた。
まるで上げないとダメだぞとでも言うように。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…