「ほら。 早く行っておいで。私達は車で待ってるから」 「……ありがとう。 行ってくるよ、守」 「! ……どういたしまして」 珍しく素直にお礼を言った私に驚いたが、守はすぐに目を細めてニッコリと笑いそう言ってくれた。 私はそれが何よりも背中を押してくれた気がして。 動けなかった足を、強く踏み出して入り口までの数十メートルを駆け出した。