全部、全部、


一番悪いのは私なのに。



分かっていても私の言葉はいつも人を傷つけることしか出来ない。


上辺だけの取り繕った言葉しか言えない。



笹原晶もそれが分かってた。
分かってて私と付き合ってた。



飽きられて当たり前
捨てられて当たり前




分かってた。


分かってたけど。




「――――…」




「紗奈、後悔してる?」




「…………」




「紗奈のお父さんもきっと同じ気持ちだと思うよ」




何も答えない私に、彼女は私を抱きしめたまま優しく続けた。




「そんなわけ……」


「あるよ。
だから、そんな自分に対して“馬鹿”って言ったんだよ」




あぁ、そうか…



お父さんは自分に対して言ってたのか。



お母さんじゃなくて、自分に。