「…でも、良かった…
紗奈が無事で…」
え?
「車の窓から慌てて出て行く紗奈が見えて…追いかけたけど見失っちゃって…
お父さんと手分けして探してる時に……ね」
笹原晶に電話した、と。
いつアドレスを聞いたのだろう?
…あぁ、追いかけてった昨日か。
というより守、駐車場で待っててくれてたのか…
「……見つけたってメールきたから、ここで待ってたんだけど……紗奈、今物凄く酷い顔してるよ?」
………あい。了解しております。
私は俯いた。
重い頭をこれ以上上げることが出来なかった。
「……紗奈、そんなに一人で溜め込まなくて良いんだよ」
そんな私にかけてくれた言葉はどこまでも温かく、
守は私を優しく抱きしめてくれた。
その時、私の中の何かが崩壊したのだ。