それが私の最大のミスであり、後悔の種でもある。




「お父さん……」




私はお父さんに話しかけた。
どうしても気になっていたことがあった。


“どうしてお父さんがこのタイミングで帰って来たのか”




「チッ………あの馬鹿…」




だけど、耳を疑う程の言葉が発せられた。




「…お父…さん………今、何て…?」




聞き、間違いかもしれない。




「馬鹿だ、と言ったんだ」




その発言を聞いた途端私は殴っていた。


右手がジンジンと痛い。
だんだん目頭も熱くなってきた。




……良かった。
この場に守が居なくて。




「やっぱりアンタなんて大嫌いだ!」




私はそう叫んで走り出し、病院を出た。


右も左も分からないまま、私はただただ走り続けた。