結局守は学校に戻って来ることはなく、
私が学生の本分を終えて帰宅するとまだ守は居なかった。




「仕方ない子ねぇ…
ま、晩ご飯までには帰って来るでしょ」




悦子さんの言う通り、守は夕食の30分前に帰って来た。




「守!こんな遅くまで何してたの!?」



「――私、色々誤解してたよ。アイツのこと」



アイツとは恐らく笹原晶のことだろう。


しかし…




「明日、アイツと話し合ってやってよ。
ちょうど明日は祝日で学校ないし」




「……守、何かあった?」




どこか、笑顔がぎこちない。




「何が?
ただアイツと話しただけなのに何かあるわけないでしょ?
それより、明日駅前10時に待ち合わせだってさ」




…やっぱり何かおかしい。