「俺はさ……七海の味方だって」 今初めて名前で呼ばれた。 先輩や親以外の男に初めて名前で呼ばれた。 それが嬉しく思えてくる。 「七海……好きだよ」 その幸せがこんなにも嬉しいだなんて。 あたしには想像もつかなかった。 ゆっくりと近づく顔にあたしは顔を背けることが出来なかった。 自然と重なる唇。 嫌じゃない…… そう思えた。 離れていく…その瞬間が2人を取り巻く空間が……全てが 一秒一秒があたしには宝物に思える。