あたしの肩に額を置いて唸るように橘は呟いた。
けど、あたしの口は直ぐに開いた。

「違っ……あたしが悪いのにっ」

「……でも、困ってんだろ?」

「っ………」

そんな訳ないっていえない。
だって……困ったのも事実。
怖いのも事実。

「……怖いだけだよ。ちょっと…男が怖いんだ」

「…知ってる。」

「先輩に振られてからずっと引きずってるんだ。馬鹿みたいだよね」

もうあの言葉から踏ん切りつけなきゃって思ってるのに……
それでも頭にこびりついたように言葉は剥がれないんだ

俯いているとふわりと風が吹いて視界が暗くなった。