ガタリと席を立って近づいてくる橘にあたしは冷や汗をかき始めた。
その姿が……先輩に重なって背筋に冷たいものが走ってく。

ダメだ……
やっぱり怖い………っ

足が竦んで、手も汗ばみ始めた。


「……ちょっと…不安になっちゃったかな…?」

「えっ?」

橘の悲しそうな声に顔を上げた瞬間、全身の血が逆流し始める感じがして……


目が離せなくなった。


「……駄目だな。待つって言ったのに」