校舎に入ると人の少なさに驚いた。
それだけこのアイドル君が学校の生徒に影響を与えているのかと…

「………」

じっとその顔を伺ってみるが、先ほどの件で顔はほんのりと赤い。

「………な、何?」

「……別に。ただ睫毛が長いなぁって」

「そ、そう?」

背の高い紳士的で友好的な男子。
確かに優しくされたら勘違いだってしちゃうかも。

「そんな…じっと見ないで……」


ますます顔を赤くさせて、橘は視線を泳がす。
その姿が何だか可愛くて、胸がきゅっとなった。