人混みを掻き分けながら進んでいく中で、2人の女生徒と男子生徒が見えた。

「あれ……?」

「圭、さっさと教室行こ?」

女子独特の甘えたしゃべり方でべったりと橘の左腕にくっつく清水さん
胸が当たっているのか橘はげんなりとしている。


「……うぅ…清水さんが牽制して圭に近づけない…」

「ほんと、清水さんさえ居なけりゃなぁ…」

女子たちが口々に不満の声を上げ、羨ましそうに橘を見ていた。

「………ふーん」