その青年の後をついていく時秋人はついていけるかと思ったが距離は以外と短かった。2・3回角を曲がると秋人達はとある廃墟の中へ入って警官をやり過ごした。
「こんな所にこんな建物があるなんて知らなかった…。それにあなたは一体誰なんですか?」
「ここに建物があったのはたまたまだ。俺は保坂 玲(ほさか れい)だ。それ以外のことは仲間のところへ行ったら教えてやる。ちょっとこっちへ来てくれ。」
秋人が玲のあとについて行くと、裏口のところまできた。
「よく聞いてくれ。俺達はさっき会ったばかりだが、俺のことを信じてほしい。」
玲が秋人の目を見て言った。
「あの…、あなたはなんでさっき会ったばかりの俺を助けてくれたんですか?それに俺んちを見てたって?」
「浅羽秋人。俺がお前を助けたのは、何も知らない世間知らずのお前が自分から警察に行って殺されるのを見てられなかったからだ。」
「けど、新聞やニュースじゃそんなこと言ってませんでしたよ?」
「ま、それもそうだな。一般人のお前が知ってるはずないな。けど、もうお前は一般人じゃない。国に命を狙われた犯罪者だ。この国の事情は知っとかないといけない。」
「俺は犯罪者じゃない!!」