四


 平日というのに博多駅は沢山の人で賑わいをみせていた。

そんな中、駅のお土産売り場では橋本夏歩が唖然としていた。

そんな夏歩とは対照的に本田真理子は少し着飾った私服姿でニコニコと夏歩の前で浮かれていた。

「本当にいいの?」

「いいわよ」

 眉間にシワを寄せた夏歩の言葉に真理子は全力の笑みで応えた。

丁度その時地下倉庫から小川春菜が空っぽの台車を押してやってきた。

「あれ真理子さん今日休みじゃ」

 真理子は春菜の方を見て小走りで近づきニヤついた。