二



 博多駅のお土産売り場では普段掛けない眼鏡を光らせる小川春菜がパソコンと睨めっこしていた。

「忙しそうですね」

 そんな中、いつものようにニコッと笑って登場した酒井純一を見て橋本夏歩が嬉しそうに笑顔を返した。

「今春菜に調べてもらってるところ」

「そうですか。あっセーターは渇きましたよ。ただ柔軟剤使ったんですが海の匂いは微妙に残りました」