二



 イヤホンを装着してルンルンと赤いコートを揺らしながらスキップで帰宅ラッシュ時の博多の歩道をぶつからず行く姿は正に芸術的だった。

周りの人から変な目をされているとも気が付かないこともある意味芸術的だった。

 あの日から丁度一週間、本田真理子は浮かれていた、いや浮かれに浮かれていた。何故なら昨日人気アイドルグループスパイスキッドの金子美月から電話で会いたいと言われたからだ。

 真理子と美月は駅近くにある噴水のある公園を待ち合わせ場所にしていた。

真理子が変なダンスをしながら到着すると既に美月は公園に到着していた。