「…すごくヤバイです。ここでの1日は、もとの世界での6日間…ここでの10分は1時間…?」

簡単な数式に当てはめてみる…

「…という事は…オレ、6日も家を空けたって事?わ〜それはヤバイぞ〜〜植木達の世話が〜〜〜!どうしよう深谷君、オレ早く帰らないと!」

自分の事より、植木の心配をしている場合だろうか…?

「…もし万が一、もとの世界に戻れても、時間が経てば経つほど浦島太郎状態だし…それに食べ物がなければ、ガ死です…あまり考えたくないけど酸素…いつまでもつのか…」

いや…もっと最悪、ここが地球上であるとは言い切れない…

考えると、いくらでも最悪の状況が浮かんでくる…それと同時に自分は、さっきからある本を思い出していた。

「…あ、でもこの部屋は探検したから、少しは分かるよ?食料はなかったけど水はある」

「え?」

「見てみる?向こうにトイレらしき物と洗面台と、シャワールームがあった」

「うん…ところでハル、ここ…人の気配は…ないの?」

「あぁ…誰もいないみたいなんだ…」

「…」

誰もいない、無人の海底基地…?