「そっかー深谷君も、図書館の書庫の扉から来たのか…オレもさー昼寝しようと思ってうろついてたら、あの扉を見つけてさ…誘われるみたいな感じで開けたのが、昨日の11時ぐらいかなー」

「…え?昨日?」

「うん、はじめパニックになって、部屋の中を探検したんだけど、疲れて寝たら今日になってた…」

そう言ってハルは、はめていたダイビング用らしき腕時計を見た。

…時計…?

「ハル…今、何時?」

「え?10時55分かな」

「…その時計が、もし合っているとしたら…ハル…ありえない…」

「え…何が?」

「だって自分が、ここに来る前に見た時間は9時過ぎだったし…それに昨日は日曜日で、図書館は開いてない…」

「…深谷君、それ本当?オレが来たのは確か、3日の火曜日なんだけど…」

「…今日は、8月9日…月曜日だよ、ハル…」

「…もしかして、ここの時間軸って…」

「うん、ずれてる…ざっと6分の1ほど…」

「うわ〜深谷君、頭良いね〜あははは…それってヤバくない?」