七色のサンゴ礁と、行き交う魚達の群れ…青い海のグラデーションは、いつまで見ていても見あきなかった…

それから今度は後ろをふり返り、その部屋を見渡した。

そこはドーム状の建物だった。

広さは教室の半分ほどで、部屋の全てが白く半円を描いている…

はじめ自分が立っていた所は部屋の中心部の壁の前で、そこは一段高くなっていて、テラスのような手すりがついていた。

その中央から、五段ほどの階段が下のフロアにのびていて…

階段の両サイドには、扇形のソファーが並び透明な楕円形のローテーブルが、それぞれ置かれている。

扉のような物が部屋の両サイドにあったが、うっかり開けたら海の中…なんて事もあるかもしれない…

そして、この部屋の最大の特徴は…

建物の外壁が総ガラス張りで、海底をパノラマで見る事が出来る所だろう。

この部屋に入った瞬間、目に飛び込んできたのがガラス越しに魚達が泳ぎ回る、海底の世界だったのだから驚く…

いや…それより、なぜ書庫の扉が海底に、つながっているんだ?とか、もっと大事な事が…

自分は、ソファーに座っているハルに向き直った。