「ようこそ、海底の世界へ!なんてね…その制服、うちの初等部だよね?何年生?あ、オレは高等部の二年B組、生島晴彦。ハルって呼んでね?」

その人物は海底をバックに両腕を広げて、穏やかな笑みを浮かべると自己紹介をした。

「…初等部、四年A組…深谷晃平…」

初等部の制服は、あさぎ色のラインが入ったセーラーカラーに、紺色のズボンという独特な制服だ。

「そうかーところで、一つ聞いていいかな?」

「はい?」

「ふかふかと、ふかPー…どちらがいいと思うよう?」

「…深谷以外で呼んだら、無視します…」

「あはははーそれは残念…」

「あの…それより出口は、どこですか?」

入って来たはずの扉は、後ろをふり向いても、どこにも見当たらなかった…

「それがないんだよねーオレもここに、閉じ込められた口だからさ〜あははは…」

…笑い事ではない…

「深谷君、立ち話もなんだし、座らない?」

そう言って、見た事のない素材で出来ている真っ白なソファーを指差した。

自分は目の前にある階段をゆっくり降りて窓に近づくと、海底の世界を一望した…